11.17Fri.
ヒューマントラストシネマ渋谷、
新宿シネマカリテ他 全国ロードショー
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「次世代のタランティーノ、現る!」と大注目された、アナ・リリ・アミリプール。2014年に長編映画監督デビュー作『ザ・ヴァンパイア
~残酷な牙を持つ少女~』がサンダンス映画祭で絶賛され、ゴッサム・アワードでユニークかつオリジナリティ溢れるセンスを発揮する新進映画監督に贈られるビンガム・レイ賞を受賞する。さらに、スキ・ウォーターハウスを主演に、キアヌ・リーヴス、ジム・キャリーが共演した監督第2作目の『マッドタウン』では、ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞を受賞した輝ける才能だ。
その後、ギレルモ・デル・トロが企画・製作総指揮を務めたオムニバス作品「ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋」に監督の一人として参加するなど、独自の道を迷いなく進み続けるアナ・リリ・アミリプールの長編映画監督第3作が遂に日本を来襲。起承転結のすべてが全く予測できないオリジナル脚本も、自ら手掛けた。スタイリッシュな映像に魅せられ惑わされるうちに、観る者の「いったいどこに連れて行かれるのか」という驚きと緊張が、興奮と悦びに変わっていく作品を完成させた。
少女の名前は、モナ・リザ。だけど、決して微笑まない。12年もの間、精神病院に隔離されていたが、赤い満月の夜、突如“他人を操る”特殊能力に目覚める。自由と冒険を求めて施設から逃げ出したモナ・リザが辿り着いたのは、サイケデリックな音楽が鳴り響く、刺激と快楽の街ニューオーリンズ。そこでワケありすぎる人生を送ってきた様々な人々と出会ったモナ・リザは、自らのパワーを発揮し始める。いったい彼女は何者なのか。まるで月に導かれるように、モナ・リザが切り開く新たな世界とは──?
モナ・リザを演じるのは、韓国人俳優のチョン・ジョンソ。村上春樹の短編小説の映画化として話題となった『バーニング
劇場版』を観て一目で惚れ込んだアミリプール監督からオファーを受け、本作でハリウッドデビューを果たした。2020年にNetflix配信映画『ザ・コール』に出演し、百想芸術大賞と釜日映画賞で最優秀女優賞を受賞。2022年にはNetflix配信ドラマ「ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え」でメインキャラクターを演じ、さらなる人気を広げている。本作では、生い立ちと過去、特殊能力の理由──そのすべてが謎のエキセントリックかつミステリアスなモナ・リザを、いつの間にか熱いエールを贈らずにいられない超キュートでパワフルなキャラクターへと昇華させた。
モナ・リザをある計画に引き込むシングルマザーのポールダンサー、ボニー・ベルには、『あの頃ペニー・レインと』でアカデミー賞®にノミネートされ、ゴールデン・グローブ賞を受賞、近年ではNetflix配信映画『ナイブズ・アウト:グラス・オニオン』が評価されたケイト・ハドソン。スター俳優である彼女にとってチャレンジングな役だが、アミリプール監督の「とてつもない才能」に感服して出演を決めたという。
ボニーの息子チャーリーには、Netflix配信映画『アレックスとチュパ』のエヴァン・ウィッテン。幼くして人生と母親に怒りを抱えた少年が、モナ・リザと美しい絆を結ぶまでを情感深く演じ、観る者の胸を揺さぶる。モナ・リザを追いかける巡査ハロルドには、『ジェームス・ブラウン
~最高の魂(ソウル)を持つ男~』のクレイグ・ロビンソン。モナ・リザに恋する自称DJのファズには、『デッドプール』『マレフィセント2』のエド・スクライン。
撮影は『ミッドサマー』『ヘレディタリー/継承』のパヴェウ・ポゴジェルスキ。不穏な月が微笑むネオンカラーの街を、ポップでエキサイティングなおとぎ話の舞台としてスクリーンに出現させた。
長編映画監督デビュー作『ザ・ヴァンパイア 〜残酷な牙を持つ少女〜』は、2014年のサンダンス映画祭でプレミア上映され、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催されたNew Directors/New Filmsシリーズのオープニング作品に選ばれる。さらに、ドーヴィル・アメリカ映画祭、シッチェス・カタロニア国際映画祭でも受賞し、ゴッサム・アワードでは、主流とは一線を画す個性的な創作ヴィジョンと冒険性のあるスタイルを持つ新人映画監督に与えられるビンガム・レイ賞に輝く。長編映画監督2作目の『マッドタウン』(出演:スキ・ウォーターハウス、ジェイソン・モモア、キアヌ・リーヴス、ジム・キャリー)は、2016年のヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され審査員特別賞を受賞。ザ・ハリウッド・リポーターに「暴力と夢幻が、魔法のように混ざり合っている」と絶賛される。
TVシリーズでは、「レギオン」(18)、J・J・エイブラムスとスティーヴン・キングが製作総指揮を担当した「キャッスルロック」(18)の1エピソード、「トワイライト・ゾーン」(19~20)の2エピソード、ケイト・ブランシェットがナレーションを担当した「Homemade/ホームメイド」(20)、ギレルモ・デル・トロ企画・製作総指揮の「ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋」(22)の1エピソードを手掛ける。そのほか、2018年にはKENZOとカレン・Oがコラボレーションし、水原希子が出演したショートフィルム「YO! MY SAINT」の監督も務めている。
COMMENTS
順不同
小島秀夫ゲームクリエイター
異端、孤独、束縛、解放、そして自由。アナ・リリ・アミリプール監督の咆哮とブレない世界観がまたしても炸裂。音と映像、映画と絵画、POPとクライムがカラフルに結実。
今作は、アナ・リリ監督が、現代女性の光と陰を曖昧な“ソフマート”として描き出す、もうひとつの“モナ・リザ”の微笑みだ。
清水崇映画監督
これぞ今のアタシらオレらが憧れ求める、おとぎ話なんじゃね?
何故?🌙 生き抜く力❤️そんなんどーでもよくなる程、禍々しくダサクールな世界、観るべし!!堪能すべし!!
きっとミンナ、、、イカれてイカしたモナ・リザにゾッコンだぜ。
SYO物書き
チョン・ジョンソの存在の説得力が、我々を支配する。
お姫さまも王子さまも、定型に収まる必要なんてない。
カオスでサイケ、なのに毒気<ピュアさが光る夜伽話。
人間食べ食べカエル人喰いツイッタラー
サイキック少女がクセの強い面々を巻き込みながら突き進む。ストーリーは普遍的なのに唯一無二の味わいがあるのは、アナ・リリ・アミリプール監督のフレーバーが存分に振られた演出とチョン・ジョンソの個性が爆発しているから。他の何にも例えようのない我が道を行くロードムービー。
ISOライター
騒々しく鳴り響く音楽、酒と汗と呪術の匂い、ネオンと常夜灯が照らす眠らぬ群衆、そして赤い月と笑わない女。キッチュでビビッドな映像と物語が、ニューオーリンズの狂おしいほどの魅惑を濃厚に抽出する。この映画の主人公はモナ・リザではなく、何処よりも煌びやかで妖艶な街そのものだ。
山崎まどかコラムニスト
自由を求める女たちのための、本当に奇妙なフェアリーテール
悪徳渦巻く不思議の国みたいなニューオーリンズの街に降り立つ
チョン・ジョンソが月光を受けてきらめくナイフみたいだ!
後藤護暗黒批評家
A24では扱いきれないブっ飛んだキワモノジャンル映画ばかりつくる製作会社SpectreVisionのもと、吸血鬼×ウェスタン映画でデビューした鬼才アミリプール。当然新作もジャンクでウィアードで定義不能だった!超能力少女という定番ネタながら『キャリー』にならないオフビート感は、ゾンビものを撮ったジャームッシュのようだ。